口腔内細菌と動脈硬化の関係
令和08年09月17日
みなさまは「歯周病はお口の病気だから、全身には関係ない」と思っていないでしょうか?
実は、近年の研究で、歯周病による炎症が動脈硬化の進行に関係している可能性がわかってきました。歯周炎患者は健康な人に比べて約1.6倍、冠動脈疾患にかかりやすいと報告されています。
動脈硬化とは、血管が硬くなったり、狭くなったりすることで、血液の流れが悪くなる状態です。進行すると心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気を引き起こすことがあります。
←アテローム性動脈硬化などの血管病変から複数の歯周病原細菌が検出されている。
動脈硬化の原因のひとつに歯周病があります。口の中にはたくさんの細菌がおり、歯磨きが不十分だと歯周病菌が増えてきます。歯周病になると歯ぐきが腫れ、出血しやすくなります。この傷から細菌や炎症を引き起こす物質が血液に侵入し、全身へと流れていくことがあります。体は細菌を排除しようとして炎症を起こしますが、その状態が長く続くと血管にも負担がかかると考えられています。
健康な血管は柔軟で血液がスムーズに流れています。しかし、炎症が続くと血管の内側が傷つき、コレステロールがたまりやすくなります。その結果、血管が硬く、狭くなる「動脈硬化」が進みます。
動脈硬化は自覚症状がほとんどありません。しかし、進行すると心筋梗塞や脳梗塞の原因となるため、早めの予防が大切です。
歯周病・動脈硬化を予防しよう
歯周病と動脈硬化の予防のために、次のことを心がけましょう
- 適度な運動をする
- 禁煙する
- 血圧や血糖値、コレステロールを管理する
- バランスのいい食事を心がける
- 食後にしっかりと歯磨きをする
- デンタルフロスや歯間ブラシを使う
- 定期的に歯科を受診する
- 最後に
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歯周病はお口だけの病気ではなく、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。毎日の歯磨きや定期的な歯科受診は、虫歯や歯周病を防ぐだけでなく、血管の健康を守ることにもつながるかもしれません。歯を大切にすることは健康寿命を延ばすことにもつながります。お口も体も元気な毎日を目指しましょう。
文責 奈良県歯科医師会 地域保健委員会 中谷安典
【参考文献】
・中島貴子他 ;歯周炎と動脈硬化性疾患の関連:最近の知見. 日歯周誌66(2),p67-76,2024
・日本循環器学会他合同研究班. 2023年改訂版 冠動脈疾患の一次予防に関する診療ガイドライン