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佐賀支部

第6回:歯周病の治療について知ろう!

平成30年09月21日

歯周病の治療について知ろう!

歯周病の原因や病態、さらに全身との関わりなどを前回までのコラムで紹介してきました。歯周病は病気なので歯周病にならないように予防するのがいちばん良いのですが、もし、歯周病になったとしても、歯肉炎などの軽度な段階であれば、歯みがきなどのセルフケアと歯石などを専門的に除去するプロフェッショナルケアで健康な歯ぐきを取り戻すことが可能です。

しかし、歯周病が進行してしまうと、その進行度にあわせた歯周病治療が必要になります。

そこで、歯周病の治療について流れに沿って紹介したいと思います。

歯周病治療の流れ

まずは現在の歯ぐきの状態を把握するための検査を行います。

  • 歯の状況(むし歯や詰め物、入れ歯など)
  • 歯垢(プラーク)、歯石の付着状態
  • 歯周ポケットの検査
  • 歯の動揺、歯肉出血の検査
  • 歯ならび、噛み合わせなどの状態
  • 口腔内写真や歯槽骨(あごの骨)をしらべるエックス線での検査

など必要な検査をして、歯周病の進行度を診断します。

歯周ポケットの検査
エックス線の検査

はじめに初期治療を行います。

まずは歯石除去を行います。スケーラーという専用の器具で除去していきます。手作業で行う方法と超音波スケーラーなど機械で歯石を取り除く方法があります。歯石除去したあとは、歯垢がつきやすい状態のため、歯や歯根の表面をなめらかにして、歯垢がつきにくい状態にします。

また、不良補綴物(合ってないかぶせものや詰め物など)の除去、噛み合わせの調整なども行います。もちろん、治療中も毎日のブラッシングは欠かせませんし、正しいセルフケアや適切なプラークコントロールの方法を早い時期に身につけることも重要です。

超音波スケーラー

再検査を行います。

初期治療を終えた後、再び検査を行います。この段階で歯ぐきが健康な状態であれば、歯周病の治療は終わり、補綴治療(かぶせものや詰め物など)に入ります。

歯周外科治療

再検査の結果、初期治療では取ることのできなかった歯石がある場合や歯周病が進行している場合は歯周外科治療が必要になることもあります。代表的なフラップ手術は歯ぐきを切開し、歯根の深いところについた歯石を取り除き、表面をきれいにします。さらに、炎症をおこした歯ぐきを取り除き、歯ぐきを戻します。

さらに、この手術と併せて、歯周組織(特に歯根膜と歯槽骨)を再生する手術が行われることもあります。

  • GTR法
  • バイオ・リジェネレーション法 など

ただ、再生治療には一定の条件があり、歯周病の進行によっては、手術の対象とならない場合も多くあります。

メインテナンス(定期健診)・歯周病安定期治療(SPT)

以上のように、歯周病の治療は進んでいきますが、歯周病の進行度によっては長い期間を要することもあります。歯周治療が終わり、補綴治療などが終わると治療は終わり!ではありません。口の中には必ず歯周病菌がいます。我々は常に歯周病と隣り合わせで生活していることを忘れてはなりません。

歯周治療が終わっても、適切なセルフケア、定期的な口腔内のチェックとプロフェッショナルケアを続けることがもっとも重要です。

一般社団法人 佐賀県歯科医師会
成人産業保健委員会副委員長 尾鷲 俊行

  • 次回は、平成30年12月頃公開予定です。