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岡山支部

第3回 糖尿病と目~失明の原因第3位!!~

令和03年08月02日

「目の健康情報」をテーマにコラムをお届けしています。今回は「糖尿病と目」についてのお話です。

糖尿病の慢性合併症として網膜症、腎症、神経障害などがありますが、網膜症は日本人の失明原因の第3位となっています。糖尿病になると網膜症のチェックのため、内科医から眼科受診を勧められます。かなり進行していても自覚症状がほとんどない場合もあるため、自覚症状の有無にかかわらず眼科を受診する必要があります。

糖尿病網膜症のリスク因子

血糖

糖尿病に罹患してからの期間が長いほど網膜症の有病率と重症度は上昇し、発症年齢が若いほど網膜症は悪化します。血糖コントロールの指標となるHbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)を正常値に近づけることが網膜症の進行を抑制するうえで重要です。

血圧

特に収縮期血圧との関連性が強く、血圧を下げることで網膜症発症のリスクを軽減できると報告されています。

糖尿病網膜症の治療

抗VEGF療法

黄斑浮腫(物を見るための網膜の中心部分のむくみ)の軽減、新生血管退縮のために眼内に直接注射します。

網膜光凝固

浮腫を起こす原因となる血管や、糖尿病網膜症が進行したために血流が途絶えた網膜にレーザー照射を行います。

ステロイド療法

黄斑浮腫軽減のため、眼内、眼球後方に注射します。

硝子体手術

眼内の出血(硝子体出血)の除去、眼内の増殖膜の処理や、牽引性網膜剥離の治療として行われます。

糖尿病網膜症を発症していても、必ずしも上記のような治療が必要とならない時期もあります。最近はより良い薬剤や手術器具が開発され失明原因の順位が低下してきていますが、適切なタイミングで治療を行うために眼科での定期的な眼底検査が必要となります。

糖尿病網膜症の検査では「目の健康情報について」第1回のコラムにも記載されている散瞳を行う必要があります。検査後しばらく見えにくくなる為、車やバイクの運転は危険です。眼科受診時は家族や知人の車に乗せてきてもらうか、公共交通機関をご利用ください。


コラム執筆 松本泰明
松本眼科医院
岡山県眼科医会 広報担当理事