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奈良支部

なぜ歯科健康診断を受けることが大切なのでしょうか

令和08年06月29日

みなさまは、歯が痛くなったときだけでなく、定期的に歯科医院でお口のチェックを受けておられるでしょうか。かかりつけ歯科医院での定期健診や、職場での歯科健診、自治体が実施する歯周病検診などを利用している方もおられると思います。しかし一方で、約4割の方は定期的な歯科健診を受けていないというデータがあります(表1)。

表1:過去1年間に歯科検診(健診)を受診した者の割合(%)

※令和6年歯科疾患実態調査より 

高校卒業までは学校健診などで歯科健診を受ける機会がありますが、それ以降は自ら受診しなければ、お口の状態を確認する機会は少なくなってしまいます。忙しさもあり、「痛くなったら行けばよい」と考えてしまう方も少なくありません。
近年、国でも「国民皆歯科健診」が話題となるなど、歯科健診の重要性が改めて注目されています。その背景には、お口の健康が全身の健康と深く関わっていることが、さまざまな研究で明らかになってきたことがあります。歯科の問題は、単に歯が痛い、しみる、食べにくいといったお口の中だけの問題ではなく、身体全体の健康にも影響する可能性があるのです。
特に歯周病は、単に歯ぐきの病気ではありません。歯周病による炎症が続くことで、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞、肺炎、早産、認知症など、さまざまな全身の病気との関連が指摘されています(図1)。

図1:歯周病と関連のある全身疾患
※厚生労働省:歯周病検診マニュアル2023より

また、歯周病やむし歯が進行して歯を失うと、噛む力が低下します。噛みにくくなることで食べられるものが偏り、栄養状態の悪化につながることもあります。特に高齢になるほど、しっかり噛めることは健康維持や生活の質に大きく関わります。
このように、お口の状態を整えることは、口腔内の健康だけでなく、全身の健康管理にもつながります。さらに、定期的に歯科でチェックを受けている方は、受けていない方に比べて、日々の生活や健康への満足度が高いという報告もあります(図2)。

図2:健康意識や生活に対する意識(定期チェックを受けている人・受けていない人)
※日本歯科医師会「歯科医療に関する一般生活者意識調査」より

むし歯や歯周病を早い段階で見つけて対応できれば、大きな治療を避けられる可能性も高くなります。その結果、自分の歯で食べる楽しみを保ち、会話や笑顔にも自信を持って過ごしやすくなります。
歯科健康診断は、単にむし歯があるかどうかを見るだけではありません。歯ぐきの状態、かみ合わせ、歯みがきのしやすさ、お口の機能などを確認し、将来のお口の健康を守るための大切な機会です。症状がないと受診を後回しにしがちですが、症状がない今こそ、健診を受ける意味があります。
また、「これまでの人生を振り返って、もっと早くから歯の健診や治療をしておけばよかったと思いますか」という質問に対し、回答者の約7割が「もっと早く治療しておけばよかった」と感じているという結果もあります。歯や口のトラブルは、痛みや不自由を感じて初めてその大切さに気づくことが多いものです。だからこそ、症状が出てからではなく、日頃からお口の状態を確認しておくことが大切です。
これからも自分の歯でしっかり食べ、元気に毎日を過ごすために、また歯周病による全身への影響を防ぐためにも、ぜひ歯科医院での定期健診や歯科健康診断を上手に活用してください。お口の健康を守ることは、全身の健康を守る第一歩です。

文責 奈良県歯科医師会 地域保健委員会 西川敦

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