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予防歯科コラム第3回

【歯周病の予防法-プラークコントロール(2)】

 

 今回は、歯周病予防のための具体的なブラッシング方法についてお話します。前回、歯周病の予防には毎日のブラッシングでプラークを除去することが重要であるとお話しました。しかし、ほとんどの方は1日1回以上歯磨きを行っていると思います。平成23年歯科疾患実態調査の結果でも、95.5%の人が毎日歯を磨いています。70%以上の人は1日2回以上歯磨きをすると答えています。

 これほど歯磨き習慣が根付いているのに、なぜ歯周病に罹患している人が80%もいるのでしょうか。これは、磨き方に問題があると考えます。自己流の磨き方で歯を磨いていませんか。歯磨きの目的は大きく分けて二つあります。一つはプラークの除去、もう一つは歯ぐきのマッサージです。それぞれに適した歯磨き方法がありますが、現在では、歯ブラシの毛先を使ってプラークを除去する磨き方が推奨されています。それでは、プラークはどこにたまりやすいのでしょうか。鏡で口の中を見たときによく見える歯の表面は唾液の働きや噛むことで歯と歯がすり合うことなどによりプラークはあまりたまりません。プラークが最もたまりやすいのは、一つは歯と歯の間、もう一つは歯と歯ぐきの間の溝(歯肉溝)です。したがって、歯磨きの際はその部分を意識して磨くことが大切です。

 私は、初めての患者さんに対しては以下のことをまずお伝えします。

 

・磨く順番を決めること

 時間をかけて磨いていても同じところを何度も磨いている人が結構います。そうすると歯ブラシが当たっていないところはプラークが残ったままになります。

・歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの境目に当てるように意識すること

 歯肉溝のプラークをとるつもりで磨いてもらいます。

・1歯ずつ磨くこと

 歯ブラシを動かす幅が大きいと歯と歯の間に毛先が届きません。まず、歯と歯の間に毛先を入れ、毛先が抜けない幅で動かすように指導しています。

・力を入れ過ぎないこと

 プラークは時間とともに硬くなっていきます。付き始めのプラークは力を入れなくても歯ブラシの毛先が当たれば十分とれます。力を入れると歯ぐきを傷つけたり、歯の根が削られて知覚過敏の症状がでたりしやすくなります。鉛筆を持つような持ち方で磨いてもらうことをお勧めしています。

 

 できれば一度、歯科医院に行って、自分のプラークの付着状況を確認し、適切なブラッシング方法の指導を受けていただくことをお勧めします。

 プラークコントロールの基本は歯ブラシによるブラッシングです。ただ、残念ながら、歯ブラシだけでは歯と歯の間にたまったプラークを完全に除去することはできません。デンタルフロスや歯間ブラシなどの歯間部清掃器具を併用する必要があります。次回は歯間部清掃器具についてお話いたします。

 

(関西女子短期大学 歯科衛生学科 永田 英樹 教授)