平成30年05月01日
日本では年間約6,000人がかかり、約3,000人もの人が死亡しているとされています。「口腔がん」は発生場所によって「舌がん」「歯肉がん」「口腔底がん」「頻粘膜がん」「口蓋がん」「口唇がん」に分類され「舌がん」が最も多く、次に多いのが「歯肉がん」となります。
口腔がん患者の男女比は約2:1と男性が多くなっていますが、北海道は女性の喫煙率が日本一高いためか全国ほど男女差はありません。
発生頻度は、がん全体の1~3%程度と決して多くなく、患部を直接見ることができるので早期発見しやすいがんと言えます。しかし、一般の方にあまり知られていなく、進行するまで放置されてしまうケースが多く、亡くなる方が多いがんでもあります。しかしながら、早期治療での5年生存率は90%以上との報告もあり、早期発見が重要になります。
予防歯科意識の高いスウェーデンやアメリカと日本の歯科定期健診の受診率を比べてみると、スウェーデンは80%以上、アメリカも70%以上と高い数値を示していますが、日本の歯科定期健診受診率はわずか10%未満です。
現在アメリカでは、半年に一度の口腔がん検診が実質義務化されているほどです。
アメリカをはじめとする先進国では、早期発見、早期治療を徹底することで、罹患率は変わらず高いものの死亡率は減少傾向にあると言われています。
ところが日本はその逆で、罹患率も死亡率も年々増加する一方です。日本では口腔がんの認知度が低いことに加えて「歯科医院はむし歯や歯周病、入れ歯の治療で行くところ」という認識がまだまだ根強く残っています。
「口腔内の疾患を未然に防ぐ」と「疾患ができてから歯科医院へ通う」では天と地ほどの差があります。
早期にがんを発見するためにも、定期的な歯科健診、口腔がん検診をお勧めします。