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8月 血糖値が気になったら

 導入漫画

●健診の「血糖値」に注目

「血糖」とは血液中に含まれるブドウ糖のことで、「血糖値」はその濃度です。食事でとった炭水化物などの糖質は、ブドウ糖に分解・吸収されて血液中に入り、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きにより全身の細胞に取り込まれ、エネルギー源として利用されます。
健康な人は、食事をとるとすぐにインスリンが分泌されて血糖が全身の細胞に取り込まれるため、血糖値はゆるやかに上昇して徐々に下降します。しかし、インスリンの量が少なくなったり、働きが悪くなったりすると血糖をうまく細胞内へ取り込むことができず、血糖値が高い状態が続く「高血糖」になります。
高血糖になっても自覚症状はありません。しかし、高血糖の状態が続くと、糖尿病を招いたり、全身の血管が傷つき動脈硬化(血管が弾力を失い、もろくなる状態)を促進します。高血糖や糖尿病というと、中高年で肥満の人がかかりやすい病気だと思われがちですが、食べ過ぎ、運動不足といった不健康な生活習慣が大きく影響するため、痩せている人や若い人も注意が必要です。
そこで、健診を受けて、血糖値の異常を早期発見することが重要になります。

●糖尿病のサインに気づこう

糖尿病になっても、自覚症状が現れることはほとんどありませんが、血糖値がかなり高い状態になると糖尿病の症状が現れる場合があります。下表のような症状に気づいた場合は糖尿病を疑い、すぐに医療機関を受診することが大切です。

糖尿病の症状

  • のどが渇く、水をよく飲む
  • 尿の回数が増える、夜中に何度もトイレに行く
  • 食べていても体重が減る
  • 疲れやすい、体がだるい

さらに糖尿病が進行すると、神経障害(末梢神経が障害され、足の切断に至ることも)、網膜症(網膜が障害され、失明に至ることも)、腎症(腎臓が障害され、人工透析が必要になることも)といった重い合併症にもつながっていきます。

●高血糖を改善する生活習慣

血糖値が高めの人は、「急激な血糖値の上昇」を防ぐ食事・運動習慣を身につけることが大切です。食事では、糖質のとり過ぎに注意するとともに、食べる順番を変えることも意識しましょう。

栄養バランスのよい食事をする

「糖質」は主食であるごはんやパン、麺類などに多く含まれています。しかし、ごはんなど主食の糖質を極端に減らしてしまうと、からだにエネルギー源を確保できず、筋肉量や筋力が落ちてしまうため、主食を適度にとりながら栄養バランスのよい食事を心がけることが大切です。たとえば外食では、丼物などの単品は避けて主菜・副菜のそろった定食を選び、ごはんを少なめにするとよいでしょう。

お菓子や甘い飲み物などの間食を控える

砂糖や果物に多く含まれる糖質は血糖値を急上昇させるため、お菓子や甘い飲み物などは控えましょう。

野菜→たんぱく質→炭水化物 の順に食べる

最初に食物繊維が豊富な野菜や海藻、きのこなどの「副菜」、次にたんぱく質が豊富な魚や肉などの「主菜」を食べてから、最後にごはん、パン、麺類など糖質の多い「主食」を食べると、血糖値の急激な上昇を防ぐことができます。

食後に軽い運動をする

ブドウ糖はからだを動かすエネルギー源になるため、運動することで血糖値を下げられます。特に、食後の血糖値が高くなっているタイミングで、ウオーキングや軽い筋トレなどの運動をしたり、階段を使ったり家事をしたりするなど、こまめにからだを動かすことを心がけるとよいでしょう。

 

血糖値の上昇をゆるやかにする作用がある健康レシピはこちら

[監修]東京大学未来ビジョン研究センター
ライフスタイルデザイン研究ユニット客員准教授
医師 医学博士 関谷 剛