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【呼吸器の病気】 肺の生活習慣病といわれる「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」

呼吸器の役割とおもな病気

 

●空気の通り道「気管・気管支」の病気

呼吸とは、体に必要な酸素を体内にとり込み、不要な二酸化炭素を体外へ放出する働きのことです。呼吸にかかわる臓器を総称して呼吸器といいます。このうち空気が通過する器官が気道で、鼻腔、口腔から咽頭、喉頭を経て気管、気管支、細気管支までを指します。気管や気管支に起こるおもな病気には、次のようなものがあります。 呼吸器の病気 

 

慢性気管支炎

気管支の粘膜に慢性の炎症が起こっているものをいいます。原因不明の咳や痰が一定期間、少なくとも3ヵ月続き、その状態が連続して2年以上続く場合は、慢性気管支炎と診断されます。

気管支拡張症

気管支が広がってもとに戻らなくなる病気で、気管支の広がった部分には分泌物がたまりやすく、細菌の温床となるため、感染をくり返します。

気管支ぜんそく

気管支がアレルギーなどによる炎症によって過敏になる病気で、何らかの刺激で気道が狭くなり、喘鳴(ぜんめい)や咳などが出て呼吸が苦しくなる発作をくり返します。

 

●呼吸の要「肺」の病気

細気管支の先には、一つひとつが小さな組織でできている肺胞があります。そこでは酸素を血液中にとり入れ、血液中の二酸化炭素を排出するガス交換が行われています。おもな肺の病気には、次のようなものがあります。

 

肺炎

細菌やウイルスなどの病原体の感染によって肺が炎症を起こす病気で、かぜやインフルエンザなどがこじれて起こる場合や、高齢者などでは食べ物や飲み物が誤って気道に入ったり、胃の内容物が逆流したりして起こる場合もあります。

肺結核

結核菌の感染によって肺に炎症が起こる病気をいいます。結核菌は空気感染あるいは飛沫感染するため、結核菌が漂う空気を吸い込むことでも感染します。

肺気腫

肺胞の弾力性が低下した状態をいい、ガス交換が十分に行われなくなるため、息切れや呼吸困難が起こるようになります。

間質性肺炎

肺の間質に炎症が起こる病気で、肺胞のやわらかい壁の構造が壊され、硬い組織が増える線維化が進みます。これを「肺線維症」といい、線維化した肺胞は硬く縮んでいくため呼吸ができなくなって、死に至ることもあります。

肺がん

 

●肺を保護する「胸膜」の病気

肺の表面は胸膜というなめらかな膜で覆われています。また、肺と、肺が入っている肋骨に囲まれた壁(胸壁)の間のすき間は胸膜腔とよばれ、通常は少量の水(胸水)が入っており、肺と胸壁がこすれ合わないよう潤滑剤の役目をしています。おもな胸膜疾患は次の2つです。

 

胸膜炎

胸膜に炎症が起こる病気をいいます。多くが胸膜にある血管から血液中の水分などがもれ出して、胸水がたまります。炎症を起こす原因としては細菌感染などで、細菌感染は多くが肺炎に続いて起こります。

気胸

胸膜に穴が開き、肺のなかの空気が胸膜腔にもれてたまった状態をいいます。胸膜腔に空気が入って内圧が高まると、肺は収縮して換気量が減り、息切れや呼吸困難などが起こります。

 

 

呼吸器の病気は、なぜ恐いの?

 

●肺炎は「がん」「心疾患」に次いで死亡率の高い病気

日本人の死因は「がん」「心疾患」「脳血管疾患」が上位を占めていましたが、平成23年から「肺炎」が死因第3位に浮上しました。肺炎で亡くなる人の多くは高齢者で、高齢者の肺炎のおもな原因は「肺炎球菌」の感染です。
肺炎球菌は、普段から口内や皮膚に棲みついている細菌の一種で、健康な若い人ではほとんど感染症にはなりません。しかし、高齢者や慢性の心臓病、肺の病気や糖尿病などの持病があって免疫力が低下している人では、肺炎を起こしやすく、重症化しやすいといわれています。

 

●肺の生活習慣病といわれる「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」

近年、「肺の生活習慣病」として注目されている病気が「慢性閉塞性肺疾患(COPD)」です。COPDとは、これまで「慢性気管支炎」や「肺気腫」とよばれていた病気の総称で、たばこの煙などに含まれる有害物質を吸い込むことで、肺や気管支が障害を受ける病気をいいます。
長年、たばこの煙を吸い続けると、気管支や肺胞に慢性的な炎症が起こります。気管支は炎症のため狭くなり、肺胞は破壊されて酸素を取り込みにくくなります。
COPDの症状は咳や痰で、長い時間をかけて進行するのが特徴です。進行すると、ひどい息切れによって日常生活にも支障を来すようになり、最悪の場合は死に至るケースもあります。

 

 

呼吸器の病気の原因は?

 

●慢性閉塞性肺疾患(COPD)の最大の危険因子は喫煙

呼吸器の病気は感染によるものが多いのですが、COPDは生活習慣と深い関わりのある病気です。別名「たばこ病」ともいわれているように、多くがたばこの煙が原因で起こります。たばこの煙以外では粉塵や大気汚染などが原因となりますが、COPD患者の90%以上が喫煙者であるため、喫煙が最大の危険因子であることは間違いありません。
喫煙者の発症リスクは、喫煙を始めた年齢、喫煙本数、喫煙年数など喫煙量に関係し、喫煙量が多い人ほどリスクが高くなります。
また、喫煙者本人だけでなく、他人の煙を吸ってしまう受動喫煙もCOPDの危険因子となります。

 

■慢性閉塞性肺疾患(COPD)の危険因子

  • 喫煙
  • 受動喫煙

 

 

呼吸器の病気を予防・改善するために

 

●直ちに禁煙すれば、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の発症・進行を止められます

COPDの予防は、「たばこを吸わないこと」に尽きます。COPDの発症リスクは喫煙年数などに比例して高くなるので、早く禁煙すればするほど予防効果が大きくなります。
また、すでにCOPDを発症している場合でも、直ちに禁煙すれば治療効果が上がり、進行を止めることができます。長年たばこを吸っている人のなかには、「今さら禁煙しても遅い」と考える人もいるかもしれませんが、高齢になってからの禁煙でも、COPDのリスクは大きく減少することがわかっています。
喫煙は喫煙者本人だけの問題ではありません。受動喫煙による被害を起こさないためにも、家族や職場に喫煙者がいる場合は、直ちに禁煙してもらうか、分煙を徹底する必要があります。

 

■生活習慣改善のポイント

ダメ

 

●こんな検査でわかります

呼吸器の病気を調べる検査には、肺の機能が正常に働いているかどうかを調べる検査と、肺の病変を調べる検査があります。
「肺活量」や「1秒量・1秒率」の検査では、空気を肺に出し入れする換気機能を調べることで、肺気腫や慢性気管支炎、気管支拡張症、気管支ぜんそくなどがわかります。
「胸部X線検査」では、異常な陰影から肺炎や肺結核、気管支炎、気管支拡張症、肺気腫、気胸、胸膜炎などがわかります。
各検査項目の詳細については、こちらをご覧ください。

 

 

 

 

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