船員保険マンスリーVol.14(2011年5月2日発行)

こんにちは。
全国健康保険協会船員保険部です。
東日本大震災発生から2ヶ月近くが経過しました。
被災地の状況を目に耳にするたびに胸が痛みます。
私たちも被災地の復興ために、船員保険事業を通じてできること、1人の人間としてできることに精一杯取り組んで参ります。
5月5日は子どもの日です。
辛い経験をした被災地の子どもたちにも笑顔が戻り、元気に成長してほしいと思います。

目次
船員保険マンスリーのバックナンバーはこちら。
1.飯田橋だより

飯田橋だより(5月号)
東日本大震災の発生から二か月が経過しようとしています。原発問題が収束する目途が立たず、余震も頻繁に発生する不安定な状況が続いています。
「年々歳々花相似たり」という詩の一節のとおり、被災地に桜の季節が巡ってきていますが、被災地の皆様が今年の桜をどのような気持ちで眺めておられるかを思うにつけ、心が痛みます。また、3月11日以降、大震災に関する辛い事実、勇気づけられる話など、様々な報道や友人知人からの情報に接し、ずいぶんと涙もろくなったことを感じます。
筆者は16年前に出向先の兵庫で阪神淡路大震災に遭遇しましたが、今回の大震災は、阪神淡路とは桁違いの巨大・複合災害であり、同じように捉えることができないのは十分理解しているつもりですが、被災者、被災地への全国各地の熱い思いや日本の総力が上手く活かされず、全体の対応がチグハグになっている印象が強いのは、残念でなりません。
普段あまり気にとめないようなことを再認識することも少なくありませんが、とりわけ強く感じるのは、日本列島が過酷な自然環境の上に立地しているという事実と、度重なる大災害に見舞われながらもその都度立ち上がってきたというわが国の長い歴史です。
つい先日も、明治生まれの物理学者で多くの随筆を残した寺田寅彦翁の著作を読みましたが、同感する記述がちりばめられていましたので、そのいくつかをご紹介します。
「日本の土地が大陸の辺緑のもみ砕かれた破片であることは疑いがないようである。・・・このことが地形的構造の複雑多様なことと密接に関連しており、・・・この地形の複雑さの素因をなした過去の地質時代の地殻活動は、現代においても、地震ならびに火山の現象として、かすかな余響を伝えている」
「破壊的で壊家を生じ、死傷者を出すような地震も三四年も待てばきっと帝国領土のどこかに突発するものと思って間違いはなく、この現象はわが国建国以来おそらく現代とほぼ同様な頻度をもって繰り返されてきたものであろう。」
「地震によって惹起される津波もまたしばしば、おそらく人間の一代に一つか二つぐらいずつは大八州国のどこかの浦を襲って少なからざる人畜家財を蕩尽したようである。」
「いつも忘れがちな重大な要項がある。文明が進めば進むほど天然の暴威による災害がその激烈の度を増すという事実である。・・・自然の暴威を封じ込めたつもりになっていると、どうかした拍子に檻を破った猛獣の大群のように自然があばれ出して高楼を倒壊せしめ堤防を決壊させて人命を危うくし財産を滅ぼす。・・・天災による個人の損害はもはやその個人だけの迷惑では済まなくなってくる。村の貯水池や共同水車小屋が破壊されれば多数の村民は同時にその損害の余響を受けるであろう」
私たちは、船員保険事業を通じ、被災者、被災地の復興に少しでもお役に立てるよう、全力を尽くしてまいります。東京(飯田橋)での一括業務処理の関係上、加入者、船舶所有者の皆様には何かとご不便をおかけしますが、船員保険被災者専用フリーコール(0120-953-596)も設けましたので、どうぞ有効にご活用いただくようお願いいたします。
2011年5月 理事(船員保険担当) 高原弘海
2.「船員保険被災者専用フリーコール」を設置いたしました
このたびの東日本大震災を受け、被災を受けた加入者の方、船舶所有者の方専用のフリーダイヤルを設置いたしました。
お問い合わせの際にはご利用ください。
| ※ | 被災された方の船員保険の対応はこちらのページに掲載しております。 |
お問い合わせは、「船員保険フリーコール」へ
|
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0120-953-596(通話料無料) |
| 期 間 | : | 平成23年4月25日~平成23年9月30日 |
| 受付期間 | : | 月曜日~金曜日(祝日を除く) 午前9時~午後5時45分まで |
| ※ |
被災された加入者の方、船舶所有者の方専用となっていますので、一般的なご相談は 0570-300-800又は03-6862-3060にお願いいたします。 |
■ご利用いただける電話の種類
| 固定電話 | 携帯電話 |
PHS・IP電話 (050番号を除く) |
IP電話 (050番号) |
| ○ | ○ | ○ | × |
3.被災地での健康を守るために
避難生活が長期化すると、健康への影響が心配されます。
被災者の方々が、病気にならず、できるだけ健康に過ごしていただくため大切なことが厚生労働省ホームページに掲載されていますので、転載させていただきます。
環境や物資等が整わない状況の中で、実行するのが困難な事項もあるかと思いますが、少しでも被災者の方々の健康を守るためのお役に立てば幸いです。
1.心身の健康を保つために
不便な避難所での生活ではがまんを強いられ、これまでにないストレスを受けておられるかと思います。
自由に動き回ることもままならないかと思います。
被災地での生活において、心身の健康を維持するためのポイントを紹介します。
身の回りのことが一段落したら、参考にしてください。
(1)「生活不活発病」に備えましょう
「動かない」状態が続くことで心身の機能が低下し、「動けなくなる」のが『生活不活発病』です。
特に高齢者や持病のある人に起こりやすいのが特徴です。
避難所では、それまで行っていた掃除や炊事、買い物などができなかったり、ボランティアの方から「こちらでやりますよ」と言われて受け身になってしまったり、疲労がたまったり…と動かなくなる条件がたくさんあります。
生活不活発病になると、歩くことが難しくなったり疲れやすくなったりして「動きにくく」なり、「動かない」ようになってますます病状がすすむ、と悪循環になりがちなため、早期の対応が大切です。
(2)「生活不活発病」の早期発見を
◆発見のポイント
チェックリストの①~⑥の項目について地震前(左側)と現在(右側)のあてはまる状態に印をつけてください。
このチェックリストで、赤字の項目(一番よい状態ではない)がある時は注意してください。
特に地震前(左側)と比べて、現在(右側)が1段階でも低下している場合は、保健師、救護班、医療機関などにご相談ください。
生活不活発病チェックリスト
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(3)予防のポイント
| ・ | 毎日の生活の中で活発に動くようにしましょう。 |
| ・ | 横になっているより、なるべく座りましょう。 |
| ・ | 動きやすいよう、身のまわりを片づけておきましょう。 |
| ・ | 歩きにくくなっても、杖などで工夫をしましょう。 |
| ・ | 避難所でも楽しみや役割を持ちましょう。 |
| ・ | 気分転換を兼ねて散歩や軽い体操を。 |
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「安静第一」「無理は禁物」と思いこまないで。 (病気の時は、どの程度動いてよいか相談を) |
一方で、予防のためだからと、急に激しい運動を始めるのも逆効果です。
普段よりも体が疲れやすくなっているので、無理をするとダウンしてしまいます。
少しずつ休憩をはさみながら動きましょう。
2.持病のある方へ
避難生活が長びくにつれ、持病が悪化するおそれが高くなります。
ここでは、特に患者の方が多い糖尿病と高血圧について、悪化に気づくためのチェック項目と予防のポイントを紹介します。
糖尿病
次のようなことに気づいたら糖尿病の悪化を疑い、医師や避難所の救護班に相談してください。
| ・ | トイレに行く回数や失禁が増えた |
| ・ | やたらとのどが渇く |
| ・ | 全身が疲れてだるい |
| ・ | なんとなく元気がでない |
◆避難所で糖尿病の悪化を防ぐために
| ・ | 規則的に食事し、それに併せて薬をのみましょう。 |
| ・ | 脱水にならないよう、水分をしっかりとりましょう。 |
| ・ | 熱があったり食事がとれないときは、早めに診察を受けましょう。 |
◆低血糖を防ぐために
| ・ | 空腹時には、運動や作業を控えましょう。 |
| ・ | ご飯やパン、麺類、芋類などの主食は必ずとりましょう。 |
| ・ | 食事がとれないときは、血糖降下剤を減らすか、のむのをやめましょう。 |
高血圧
◆高血圧の薬をのんでいた方へ
| ・ |
避難生活では、普段の生活よりストレスが大きくなるため、身近な場所に血圧計がある場合は、毎日(できれば朝と夜)、測定するようにしましょう。 近くに血圧計がない場合は、保健師や医療スタッフの巡回時などにご相談ください。 |
| ・ | 以前のんでいた降圧薬の名前がわからない場合は、医師や救護班に相談しましょう。 |
| ・ | 頭が痛い、胸がドキドキする、顔色の赤みが強い、といった症状があれば、すぐに医師や救護班に相談しましょう。 |
| ・ | 禁煙、減塩を心がけ、毎日30分程度は体を動かしましょう。 |
3.破傷風にご注意ください
破傷風は、けがの傷口が土などで汚れていると感染します
◆破傷風とは?
土の中には破傷風菌が存在しています。
外傷を負い、傷口から破傷風菌が侵入した場合に、破傷風に感染することがあります。
破傷風は、人から人に感染することはありません。
感染すると、3~21日後になって、全身の筋肉のこわばりや筋肉のけいれんが起こります。
はじめは、顎や首の筋肉のこわばりや口が開けにくくなり、こわばりが全身へ広がることもあります。
意識ははっきりしています。
重症の場合は死に至ることもあります。
震災で患者が増える?
震災から1ヶ月の間に、被災地で7名の患者が確認されました。
いずれも震災当日(3月11日)のけがが原因とのことです。
阪神・淡路大震災では流行はみられず、スマトラ沖地震では震災直後に患者が増加しましたが、震災1ヶ月以内におさまりました。
災害がなくても、例年、全国で100人程度の患者が発生しています。
(平成16年~20年の5年間の患者数546人、死亡者数35人)
傷口に土が付いたり、がれきや釘などでけがをした場合には、傷口をよく洗い、医師の診察を受けましょう
◆もし感染したら?
外傷を負い、土などで汚染された場合には、速やかに傷口を洗浄するとともに医師の診察を受けてください。
医療機関では、けがの手当とともに、必要に応じて、破傷風の予防のための処置をします。
万一、けがをして3週間くらいの間に、顎や首の筋肉のこわばり、口が開けにくいなど、破傷風の症状がみられたら、すぐに医療機関を受診してください。
◆ワクチンはある?
乳児期に接種する三種混合の予防接種には、昭和43年頃からは、破傷風のワクチンが含まれており、30代までの方の多くは破傷風の免疫をもっていますが、40代以上の方は免疫が十分ではありません。
予防接種を受けていない場合には、破傷風の予防接種を受けることで免疫をつけることができます。
2回の接種が必要で、接種開始後2ヶ月程度で免疫をつけることができます(長期間の免疫をつけるためにはさらに追加が必要です)。
特にけがをしやすい作業に従事する方は、予めワクチンを接種すると効果的です。
被災地で作業する際には十分ご注意ください。
4.粉じんから身を守るために
家屋などが倒壊すると、コンクリートや断熱と耐火被覆に用いられた壁材などが大気中へ舞ったり、土砂などが乾燥して細かい粒子となります。
これら粉じんを長期間吸いこんだ場合、肺の末梢の細胞である肺胞にそれらが蓄積することによって、「じん肺」という病気にかかる可能性があります。
「じん肺」は、建造物の解体など粉じんの多い環境でおこりやすく、初期には自覚症状がないため、気づかない間に進行し、やがて咳、痰、息切れがおこり、さらに進行すると呼吸困難、動悸、さらには肺性心といって、心臓が悪くなり、全身の症状が出現します。
「じん肺」を根治する方法はないため、予防措置をとることが非常に重要です。
粉じんの発生する現場で作業する場合には、以下の方法をできるだけ取り入れてください。
| (1) | 粉じんの発生をおさえる |
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| (2) | 粉じんを除去する |
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| (3) | 外気で粉じんを薄める |
| (4) | 粉じんの吸入を防ぐ |
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●マスクの着用について
粉じんが舞い上がる環境の中では、マスクを用いることが必要です。
マスクは、防じんマスクやN95マスクを使用することが望ましいのですが、これらが手に入らない場合や、粉じんにそれほど長くばく露されない状況であれば、花粉防止用マスクなどの活用が考えられます。
<出典>厚生労働省ホームページ
4.柔道整復師(整骨院・接骨院)のかかり方
整骨院や接骨院などの柔道整復師の施術を受ける場合、保険証を使って施術を受けられる場合と受けられない場合があります。
船員保険を使うことができない場合は、施術に係る費用が全額自己負担となります。
柔道整復師へのかかり方を正しく理解していただき、適正な受診にご協力お願いします。
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◆柔道整復師にかかる場合は、以下の点にご注意ください
1.保険証を必ず提示しましょう
診察を受ける場合には、保険証が毎回必要になります。
2.負傷原因を正しく伝えてください
「いつ、どこで、どうして」負傷したのかを柔道整復師に具体的にお伝えください。
外傷性の負傷でない場合や、負傷の原因が労働災害にあたる場合、通勤途上におきた場合には船員保険は使えません。
また、交通事故等による場合は、お手数ですが船員保険部までご連絡ください。
3.施術内容を確認の上、療養費支給申請書には必ずご自分で署名(または捺印)をしてください
「療養費支給申請書」の署名欄には被保険者(治療を受けた方)の署名または捺印が必要です。
これは被保険者(治療を受けた方)が本来、請求するべき保険給付を柔道整復師に委任し、柔道整復師が被保険者(治療を受けた方)に代わって保険給付金を受け取るために必要な書類です。
申請内容をよく確認して、ご自分で署名(または捺印)をしてください。
4.必ず領収証をもらってください
診療の内容や金額を確認するためにも、領収証をお受け取りください。
この領収証は医療費控除の対象となりますので、大切に保管してください。
| ※ | 平成22年9月施術分から、領収書の無償交付が義務化されました。 |
5.治療が長引く場合は一度、医師の診断を受けてください
慢性化及び症状が固定化した負傷については船員保険が使えません。
また、長期治療を受けても快方に向かわない場合は内科的要因(ケガではなく病気による)も考えられますので一度、医師の診断を受けてください。
発行元: 全国健康保険協会 船員保険部
住 所: 102-8016
東京都千代田区富士見2-7-2
ステージビルディング14階
電 話: 0570-300-800
03-6862-3060(IP電話・PHSをご利用の方)




