バックナンバーVol.21(H23.9.30)
「Salud!えひめ」協会けんぽ愛媛支部メールマガジン<2011年9月30日号>通巻:第21号
「Salud(サルー)」とはスペイン語で「健康」「乾杯」を意味する言葉です。
目次
● 前口上
● 「ドクターすなみの脳のおはなし」 第7回 認知症の基礎知識
● 前口上
秋風が心地よく、あの猛暑がうそのように感じられる今日この頃です。運動するには最適の季節となってまいりました。健康の為にも、まずは運動を習慣づけることからはじめてみてはいかがでしょうか?
愛媛支部ではそんな加入者の皆様の健康づくりを応援するため、ウォーキング応援サイト「てくてく四国へんろ道」を開設しています。一日の歩数に応じ、お遍路道をバーチャル体験できる仕様になっています。ネット上のライバルとしのぎを削り、四国88か所お遍路道を制覇しましょう。
この機会に、下記リンク先よりぜひご登録下さい(登録費用は無料です)!
http://tokuho.jp
このメールマガジンでは、協会けんぽ愛媛支部がその時々に実施している事業をご案内するとともに、皆様の健康づくりに役立つコラムをあわせてお届けしております。
皆様のご期待に添えるように内容を随時ブラッシュアップしてまいりますので、是非ご意見等賜りますようお願い申し上げます。
● 協会けんぽ愛媛支部からのお知らせ
1. 東日本大震災関連情報
被災された加入者の皆様が平成23年7月1日以降に医療機関等を受診される際の取扱いが、下記の通り変更となっております。
・医療機関等で保険診療を受ける際には、被災者の方でも健康保険証の提示が必要です。
・医療機関等を受診した際の窓口負担の免除を受けるためには、協会けんぽが発行した「一部負担金等免除証明書」の提示
が必要です。
・「一部負担金等免除証明書」の交付を受けた方は、生活習慣病予防健診や特定保健指導を受けた際に支払った自己負担額
も、申請により還付されます。
なお、今後、情報の追加がありえますので、詳細については当協会ホームページ(下記参照)にてご確認願います。
http://merumaga-kanri.kyoukaikenpo.or.jp/cl/N03/2201000293/20463/2741224
2. 振り込め詐欺にご注意ください!
全国健康保険協会や年金事務所(旧:社会保険事務所)または市役所職員を装った不審電話が発生しています。全国健康保険協会から、医療費や任意継続保険料等の還付金について、電話で直接、ATMの操作をお願いすることはありません。不審な電話があった場合は、その場で対応せず、いったん電話をお切りいただき、すぐに、全国健康保険協会愛媛支部(089-947-2100)または、最寄りの警察署へお問い合わせください。
3. 生活習慣病予防健診対象者データのダウンロードサービスについて
生活習慣病予防健診のお申し込みにあたり、健診の対象者データとExcelVBAツールOpti(オプティ)をダウンロードいただき、お客様自らが生活習慣病予防健診申込書を作成できるサービスを実施しております。詳細につきましては下記よりご覧ください。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/13,65865,109,166.html
注1)上記サービスを利用するには、事前にIDを取得する必要があります。このIDを一度取得すれば、来年度以降も対象
者データを継続してダウンロードできます。
注2)提供データは、各年度中に35歳以上となられる方を抽出のうえ作成しております。なお、平成23年度版のデータ提供
は、本年12月までとしておりますので、よろしくご留意のほどお願い申し上げます。
4. 「識者の声」のご案内
愛媛県内の医療現場等の各方面でご活躍中の有識者の方から、ご専門の分野に係る意見・提言をいただき、協会けんぽ愛媛支部ホームページをキーステーションに発信してまいります。現在、下記の皆様ご寄稿いただいております。
「愛媛大学医学部附属病院医療福祉支援センター長 櫃本 真聿 先生」
「済生会松山病院副院長 宮岡 弘明 先生」
「医療法人原瀬歯科医院理事長 原瀬 忠広 先生」
「松山市民病院脳神経外科部長 角南 典生 先生」
詳細は下記よりご覧ください。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/13,61201,109,670.html
5. 目の不自由な方へ点字シールをお配りします
健康保険証を他のカードと区別しやすくするため、「ホケンショー」と印字した点字シールをご要望に応じてお配りします。詳細は下記よりご確認ください。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/13,57322,109,166.html
● 愛媛支部加入者の声
加入者の皆様からおよせ頂いたご意見等を掲載してまいります。今回は、愛媛新聞社 人事部長 長井基裕様からご寄稿いただきましたので、ご紹介させていただきます。
「私の健康法」
不惑を過ぎたころからだろうか。
体力の低下と反比例するように、血糖値が上昇カーブを描き始めた。
当時、かかりつけの医師は体の状態と食事療法を説明した後、「適度な運動も必要ですね」と一言。
暴飲暴食の日々を悔やみつつも、疑問符が頭に浮かぶ。
「適度」と言われても…そんな抽象的な表現では困る。困惑しながら問いただすと、医師は毎日20分から30分歩くことを勧めてくれたように記憶している。
糖尿病の合併症がいかに重大な事態を招くか、新聞報道である程度理解していただけに、医師の指示を素直に受け入れようと思ったものの、無精者に毎日のウォーキングは無理。ただし休日だけは歩こう。そう心に決めた。
「歩くぐらい」と甘く見ていたが、これがなかなかつらい。
自宅を出発して10分ほどたつと足を前に出すのが億劫になってきた。
それでも「健康状態を悪化させて家族に迷惑をかけてはならぬ」と言い聞かせ、目標の30分間歩き通した。体は汗ばんでいるが、気分は爽快。隅々の細胞がうごめくような感覚を今でも覚えている。
ウォーキングを始めてから7年。
今は周りの風景を見やる余裕がある。日差しや風、においで季節を感じる。
交通事故を目撃し、救助に協力したことも。そして、気になる血糖値。
「優」はなかなかもらえないが、「適度な運動」の効果もあって「可」には収まっている。
「この道より我を生かす道なし この道を歩く」。
武者小路実篤の言葉だ。信念を持って成すべきことを果たせ―偉大な先人が後押ししてくれているようだ。健康維持の決意も固く歩を進めながら、来し方行く末にも思いをはせている。
<メールマガジンスタッフより>
加入者の皆様方からの声を募集いたします。下記テーマで400字~800字程度にまとめていただき、お名前、ご連絡先を明記のうえ、ご意見をおよせください。
<テーマについて>
1 職場での健康づくり
2 ご家庭での健康法、健康管理術、体力づくり
3 協会管掌健康保険への提言
その他、医療保険制度に関する件についてご自由にお書きください。
お寄せいただいたご意見は、スタッフが全て目を通し業務に反映させていきたいと考えています。また、皆様の個人情報の保護に関しては、十分な配慮をさせていただきます。
<提出先>
〒790-8546
松山市三番町7-1-21ジブラルタ生命松山ビル5階
全国健康保険協会愛媛支部
FAX 089-947-2133
● ドクターすなみの脳のおはなし 第7回 認知症の基礎知識
1) 認知症とはひと言でいうとどんな病気でしょうか?
医学的にいうと、脳の神経細胞が死んでいくことによって、できていたことができなくなり、日常生活に支障を来たす病気です。もう少しかみ砕いていうと、普段いとも簡単にできていたことが、できなくなってしまう病気といえます。たとえば洗濯とか料理とか、電車に乗る、バスに乗るなど簡単にやっています。そんなことが少しずつできなくなってくる。たとえば料理で考えてみます。献立を考え、食材を考え、スーパーで必要なものを買ってくる。買ってきた食材を煮るとか、焼くとかして味付けする。1つできなくなると、料理は作れなくなるのです。
1人患者さんを紹介します。Aさんは79才。元会社社長で知的で温厚、誰からも頼られる存在でした。5年前にアルツハイマー病と診断され、現在は自宅で家族に見守られ、介護保険を活用して介護士さんにもお世話になっています。
ある日、Aさんが近所のスーパーに行き、きのうも買ってきた牛乳をまた買い込んできました。そして帰り道に迷子になってしまいました。無事に発見されたのですが、Aさんの孫娘は日ごろからおじいちゃんに厳しく、このときこう言いました。
「もう、おじいちゃん。何であんな近いスーパーからどっか行っちゃうの?それにね、牛乳はきのうも買ったよね。そんなことも覚えてないの!?」
と、強く叱りました。するとAさんは急に顔を紅潮させて、孫娘に殴りかかりました。
さて、一方Aさんの介護士さんはAさんのキャリアや生活歴を知っていましたので、次のように話しました。
「Aさん、大丈夫でしたか? 遠くまでわざわざ買いに行っていただき助かりました。今度は一緒に買いましょう」
と、やさしく語りかけました。Aさんは満足そうに居間に戻っていきました。
アルツハイマーの患者さんは心は病んでいません。小ばかにした言葉や態度には誰だって傷つきます。言ってはならない心無い言葉とは、
「さっき言ったでしょう」「こんなこともわからないんですか」
「これでもう3回目ですよ」「ボケたおじいちゃん・おばあちゃん」
2)もの忘れを自覚しているうちは大丈夫といわれますが、認知症ではなぜ最近のことを忘れてしまうのでしょうか?
認知症では脳の一部分ではなく、全体的に障害されますが、中でも海馬という記憶に関係する場所から脳が萎縮して機能が落ちると考えられています。むかしの記憶は強固なネットワークが出来上がっていますから覚えていますが、最近の記憶は神経回路が未熟で壊れやすいので忘れてしまうと考えられます。
そこで認知症の聞き取りテストでは「今日の年月日は?」「何曜日ですか?」などを質問するのです。
3)認知症に特徴ある変化は何でしょうか?
家族が気づくのはもの忘れからが多いです。しまい忘れ、置き忘れ、同じことを何度も尋ねる、約束を忘れるなど、いっしょに暮らしている人は必ず気づくと思います。注意深い観察が早期発見につながります。今までとは違ったことをするとか、前はこんなことはしなかったなど。病的な変化があれば専門医にかかっていただきたいと思います。
4)症状としてはどんなものがありますか?
大きく分けて中核症状と周辺症状があります。中核症状とは記憶の障害、ことばが出てこない、きちんと動作ができないなどがあり、残念ながら治りません。周辺症状とは幻覚や妄想、徘徊、暴力、うつ状態などでうまくいけばコントロール可能です。
5)CTやMRIで認知症かどうか、わかりますか?
残念ながら画像診断では認知症の診断はつきません。年をとると誰でもある程度は脳は萎縮してきます。ただ萎縮の程度と認知症とは必ずしも一致しません。ただ萎縮が強い人に認知症が多いことは確かで、診断の補助にはなります。認知症の診断には長谷川式簡易認知スケールなどの聞き取りテストも必要となります。専門医を受診し、認知症かどうか、また軽度の認知機能障害かどうかを判断してもらいます。
6)認知症が治らないなら早期発見しても意味がないと思うのですが、どうでしょうか?
早期発見は大切です。なぜなら第1に病気であることを周囲が認識して、年のせいだとか性格の問題ではないことを知れば対応が違ってきます。第2に薬で病気の進行を遅らせることが可能です。第3に介護サービスや福祉などを活用しやすくなります。家族だけでなく周囲の人々の応援を頼めばずいぶんと家族の負担も少なくなり、気分的にも楽になることでしょう。
7)認知症の治療は今後どうなるのでしょうか?
アルツハイマー型認知症は、脳内のアセチルコリンという神経伝達物質が非常に減り、記憶の状態が悪くなっている状態であることが分かっています。そのため、現在の日本では、アセチルコリンを増やす薬を使った治療が行われています。
今までは1種類しか薬がなかったのですが、ことし新たに3種類の薬が使えるようになりました。それぞれ特徴がありますから、担当医の説明をよく聴いて、うまく活用していただきたいと思います。
また、アルツハイマー病になると、脳にβ(ベータ)アミロイドという蛋白質が溜まり、大脳皮質などに老人斑が形成されます。このβアミロイド蛋白の沈着が病気を引き起こす原因とされているため、脳に溜まらないようにする研究や、取り除く研究も進められています。
この他にも、アセチルコリンを分泌する細胞を脳に移植する実験なども行われています。
ワクチンが開発され、期待されましたが髄膜炎などの副作用があり、まだ使用できる段階に至っておりません。しかし原因の解明から治療も進歩してきています。
今後に期待したいと思います。
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松山市民病院脳神経外科部長 角南 典生(すなみのりお)先生
略歴
昭和51年3月 岡山大学医学部卒
昭和59年8月 日本脳神経外科学会専門医
昭和59年12月 医学博士
昭和60年10月 病理解剖認定医
平成元年1月 日本体育協会公認スポーツドクター
平成15年4月 松山市脳卒中対策協議会委員
〃 松山看護専門学校非常勤講師
平成16年3月 聖カタリナ学園衛生看護専攻科非常勤講師
平成19年6月 愛媛新聞社より著書「Drすなみの脳のおはなし-頭痛から脳卒中まで-」発刊
平成20年4月 南海放送ラジオ「ドクター角南のオー脳!」スタート
平成20年11月 愛媛新聞社より第2弾「Drすなみのかしこい患者学」発刊
平成23年6月 愛媛新聞社より第3弾「脳のおはなしPART2-頭の中の小宇宙-」発刊
松山市脳卒中対策協議会委員となってから、「脳卒中の予防」の啓発に力を入れ、講演・ラジオ出演など引き受け、微力ではありますが活動をしています。
公民館を中心に土日および平日の夜、講演を行っています。
「脳のおはなし」は丸三書店で発売から連続11週、売り上げベストテンに入り、現在第5刷。
第2弾の「かしこい患者学」も増刷となっています。
2008年4月から毎週日曜日午後3時「松沢はつみの南海クラシックス」の中で、15分間「ドクターすなみのオー脳!」というコーナーを設けていただき、脳の科学・脳の医学について楽しくお話させていただいております。
■発行 全国健康保険協会(協会けんぽ)愛媛支部
〒790-8546 松山市三番町7-1-21ジブラルタ生命松山ビル5階
TEL 089-947-2100(代表)
(愛媛支部ホームページ)http://www.kyoukaikenpo.or.jp/13,0,109.htm



