わたしは保健師と一緒にメタボと闘っています ~ 保健指導体験記 ~

 生活習慣病予防健診を受けた結果、メタボリックシンドロームのリスクがあると判定を受けた
Hさん(41歳・男性・会社員)。その後、Hさんは協会けんぽの保健師と面接し、保健指導を受け
ていただくことになりました。
 最近体重増加が気になり始めたHさん。さて、どのような作戦で取り組むのでしょうか。

保健指導のスケジュール(平成23年)

2月16日(初回:面接)   3月16日(2回目:文書)   4月8日(3回目:文書)

5月10日(4回目:電話)   7月11日(5回目:面接) 

 

 

  Hさんのデータ(保健指導開始前)

 

身長 体重 BMI 腹囲
 168.8cm 

107.9 kg

37.9  116.5 cm
血圧 中性脂肪 空腹時血糖 HDLコレステロール

 125/71 mmHg

257 mg/dl

107 mg/dl

42 mg/dl

 

  目標と具体策(初回面接時に決定)
 目   標:体重10 kgの減量

 具体策:【その1】30分の運動を週に1~2回行う

       【その2】夕食の主食を2膳から1膳にする

     【その3】コーヒーの砂糖を控える

  

 2月16日(初回:面接)

 体重:105 kg

 現在の体重は105kgぐらいですか?
保健師  

 20代前半は70kgぐらいでしたが、就職して徐々に体重が増えてしまいました。最近増えすぎだなぁ……と思い、毎日飲んでいたお酒を週2日に減らしたりはしていたのですが……。

Hさん  

 体重を減らすために、ほかに取り組めそうなことはありませんか?

保健師  

 ご飯をたくさん食べるので、控えてみようかと思います。また、コーヒーは砂糖入りのものなので、ブラックにしてみようかと思います。

Hさん  

 カロリーを控えることは減量の基本ですから、よい取り組みだと思います。一緒に運動をするとより減量の効果が高まりますが、どのぐらいの頻度なら運動ができそうですか?

保健師  

 子供がまだ小さいので平日は難しいですが、休日なら時間をつくれると思います。

 Hさん  
 それでは、30分程度の運動を週1~2回を目標に取り組んでみましょう。また、取り組みの効果をみるためにも、体重を毎日測ることが大切なのですが、測れそうですか?
保健師   
 はい、大丈夫です。
Hさん  

  

 3月16日(2回目:文書送付)

   体重:105.5kg ~ 106.5kg(前回から横ばい)  

1.30分の運動:週1~2回実施

2.夕食の主食を1膳にする:100%実施

3.コーヒーの砂糖を控える:100%実施

 

 目標にした上記3つの項目、パーフェクト達成です! とても嬉しいです!

 さて、生活習慣改善にチャレンジしてみて、どうでしょうか?

 夕食が減ることには少し慣れてきましたか? 始めのうちは空腹感と闘っていることと思います。時間はかかると思いますが、減らした量に慣れてくるはずです。もう少し頑張っていきましょう。

 

   『少しの量でも満腹感を感じる方法』

 

 早食いの場合、おなかがいっぱいと感じる前に、胃にたくさんの食べ物を詰め込むことになります。脳にある満腹感を感じる「満腹中枢」というところは、食べ始めてから約20分で働き始めます。だからといって時計とにらめっこしながらの食事は疲れますよね。時間をかけて食べるには、「今よりたくさん噛むこと」がおすすめです。一口食べて、しっかり噛む。飲み込もうとする前にあと5~10回噛んでから飲み込むと良いそうです。

 今のところ体重の変化はなさそうですが、まだまだ始めたばかりです。食事を減らし運動量を増やしているので、必ず効果が表れてきます。そのときまで続けていきましょう。

保健師  

 

 4月8日(3回目:文書送付)

   体重:103.5kg(前回から2~3kg)  

1.30分の運動:週2回実施

2.夕食の主食を1膳にする:100%実施

3.コーヒーの砂糖を控える:100%実施

 

 当初設定された3つの項目を変わらず実践されていて、素晴らしいです。 

 めきめき体重が減ってきましたね! こんなに数字の変化が現れてくると嬉しくなりますね。運動と食事を控えた効果がじわじわと表れてきたからだと思います。 

 運動を始めて1か月。体重が減ってくると、やる気が満ちて運動のペースを上げてしまう方がいらっしゃいます。無理をすると思わぬケガをしてしまいかねません。無理をせずに運動を続けていきましょう。

 

 今回は停滞期についてお話します。

 停滞期は、減量をしていくうち、体重が減りにくい時期のことを言います。人間の身体にはある一定の状態を保とうとする「恒常性」という性質があります。体重が減ると、この恒常性機能が働き、食べる用を減らしても運動量を増やしても体重が変わらない時期がやってきます。それが「停滞期」です。

 摂取カロリーより消費カロリーを上回った結果により体重が減ってきました。「停滞期」にダイエットをあきらめてしまうと、ダイエット前、もしくはそれ以上に体重が増加してしまいます。

 今後、停滞期が来てもあきらめないことが大切ということですね!

 もし、停滞期がきたら、「体重を維持する」ことを目標にしましょう。

保健師  

 

 5月10日(4回目:電話)

 体重:103 kg(前回より0.5kg)

 最近の調子はいかがですか?
保健師  

 変わりはないですよ。

Hさん  

 運動に関する取り組みはどうですか?

保健師  

 休日を中心に、趣味もかねて渓流釣りに出かけていますよ。距離にすると10kmくらいは歩いていると思います。

Hさん  

 それはすごい運動量ですね! 食事を減らすことはどうですか?

保健師  

 コーヒーもそうですが、ご飯1膳にしても、苦にならなくなりました。

 Hさん  

 体重の減りは少し鈍くなっていますが、停滞期かもしれませんね・・・。

 無理はせず、このまま具体策を続けていきましょう。『継続は力なり』です。

保健師   

  

 7月11日(5回目:面接)

 体重:98.0 kg(前回より5kg、減量スタート時から8.5kg)

 体重、すごく減りましたね!
保健師  

 それでも出張があって、体重が増えてしまいました。目標にしていた-10kgには届いていないのが残念です。でも、最近は、近所の人からも「やせたね」と声をかけられるようになりました。
 自分もそうですが、家族も、少ない量の食事を食べている自分に慣れたみたいです。
 

Hさん  

 ご家族の協力・理解を得られたことは大きいですよね。そして、家族以外の人からも変化を認めてもらうと、嬉しいですよね。

保健師  

 そうですね。

Hさん  

 渓流釣りは、いつまでできるのですか?

保健師  

 実は、春から秋までなんです。毎年、その時期は5kgくらい体重が落ちるのですが、冬になると戻ってしまって・・・。

 Hさん  

 今年は、いつもより体重が落ちているので、食事の効果ですね。秋以降の運動については、これから考えて行きましょう。

保健師   
 そうですね。歩くのもいいかな、とも考えています。
Hさん