バックナンバーVol.16(H23.7.15)
「Salud!えひめ」協会けんぽ愛媛支部メールマガジン<2011年7月15日号>通巻:第16号
「Salud(サルー)」とはスペイン語で「健康」「乾杯」を意味する言葉です。
目次
● 前口上
● 「ドクターすなみの脳のおはなし」 第2回 エピソード記憶
梅雨が明け、これから本格的に暑い夏がやって来ます。
この時期は冷たい物をとりすぎたり、長時間の冷房で体を冷やしてしまうせいか、体調を崩しがちです。皆様くれぐれもおからだご自愛ください 。
このメールマガジンでは、協会けんぽ愛媛支部がその時々に実施している事業をご案内するとともに、皆様の健康づくりに役立つコラムをあわせてお届けしております。
今月から、メールマガジンを月2回配信いたします。
皆様のご期待に添えるように内容を随時ブラッシュアップしてまいりますので、是非ご意見等賜りますようお願い申し上げます。
● 協会けんぽ愛媛支部からのお知らせ
1. 東日本大震災関連情報について
全国健康保険協会では、被災地域の加入者の皆様に対しまして、下記リンク先のとおり対応させて頂いております。7月1日より取扱いに変更がございますので、ご確認願います。
なお、記載している上記情報は平成23年7月15日現在のものです。今後、情報の追加がありえますので、詳細については当協会ホームページ(下記参照)にてご確認願います。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/10,66238,125.html
2. 協会けんぽ「糖尿病CMセミナー」のご案内
糖尿病の重症化を予防するには、医師の治療方針に基づいた食事面、運動面の日常生活改善が必要不可欠。そこで、本セミナーでは、糖尿病を「管理」していくための術を、専門家がわかりやすくお伝えし、サポートします。
<本セミナーの対象となる方>・・・次のアイに該当する協会けんぽの加入者
ア 栄養指導と運動指導で効果が見込めると医師が判断された糖尿病罹患者。
イ 松山市内で開催のセミナーに、月に一度参加いただける方。
<本セミナーの開催期間や募集定員について>
1.セミナー開催期間 (月1回土曜日 約3時間のセミナー)
平成23年8月20日(土)~平成24年1月21日(土)
2.受講者募集定員
15名(残りわずかです。お早めにお申し込みください)
3.募集期限
平成23年8月12日(金)
4.費用
無料
5.問い合わせ先
企画総務部企画チーム TEL 089-947-2100
詳細は下記をご覧ください。
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/13,69465,109,166.html
3. 協会けんぽ愛媛支部は「歩く」から健康づくりを応援します。
愛媛支部では加入者の皆様の健康づくりを応援するため、ウォーキング応援サイト「てくてく四国へんろ道」を開設しています。
一日の歩数に応じ、お遍路道をバーチャル体験できる仕様になっています。
ネット上のライバルとしのぎを削り、四国88か所お遍路道を制覇しましょう。
この機会に、下記リンク先よりぜひご登録下さい(登録費用は無料です)!
http://tokuho.jp
昭和43年の秋のこと。当時ぼくは高校2年生。中間考査の終わった昼下がり。自転車2台を並べて田舎道を街へ向けて走った。彼女をはじめてデートに誘った。
「いいわよ。卒業はわたしも見たかったわ。ダスティン・ホフマンも好きだし、楽しみだわ」
彼女は2つ返事でOKをくれ、テストの終わったあと、映画館へ2人で向かった。
もちろんこのデートのときには目的は映画を鑑賞することではなかった。ぼくは、まったく「卒業」の内容など覚えてはいない。映画館で最後部に2人並んですわり、チャンスがあればと、もくろんでいたのです。しかし、彼女の方はというと、熱心に映画を見ており、ぼくのことなどまったく眼中になかったのです。
映画が終わり、キャストが次から次へと画面に流れていく際に、やっと彼女の手をつかみました。彼女はというと、映画の余韻に浸っているのか、手を握り返してさえくれません。ついにライトがつき、明るくなってしまいました。
きょうを逃してなるものかと必死だったぼくは彼女を喫茶店に誘いました。忘れもしません。「白樺」という喫茶店に入り、コーヒーを注文しました。彼女は興奮気味に「卒業」の感想をしゃべり、ぼくに感想を聴きます。わかるわけがありません。いい加減に返答していると、彼女は自分の考えをしっかりと話すのでした。
「わたしだったら・・・あなただったら、どうする?」
「うん。そうだね。困っただろうね」
「どうして結婚式の日まで、何もできなかったのかなあ?」
「彼も悩んだんだと思うよ」
「ねえ、あなただったら同じことすると思う?」
「どうかな。自信ないなあ」
「しっかりしてよ。でもうれしかったわよね」
「うん」
こんな調子で2時間。コーヒー1杯でねばり、あたりは暗くなってきました。
「ねえ、結婚ってどんな感じで決めるのかなあ。ビビッとくるのかなあ、この人しかいないって」
「まあ、どれほど祝福され成功した結婚でさえも、どこかに親不孝の要素を含んでいるもんさ」
などと、わかったようなせりふを残して、ぼくは席を立った。
「送っていくよ」
「あら、もうこんな時間」
30分くらい歩いただろうか。彼女の家の前まで来てしまっていた。あたりは静寂で埋まっていた。何も聴こえなかった。
突然の行動にぼくは出た。セーラー服を抱きしめた。彼女の顔が正面にあった。彼女は驚いたようだったが、じっとぼくを見つめていた。ゆっくりと唇に触れた。彼女のからだも唇もめちゃやわらかだった。気持ちよかった。だれも来るな、何も起こるなと思いながら、じっとしていた。
残念ながら、彼女の唇の感触は覚えているが、ここからどうなったかはまったく記憶にない。覚えているのは、
「俺がきょうの主演男優だ」と思ったことだ。
これがぼくの初デートであり、初キッスだった。今もせつなく、しっかりと覚えている。ぼくの側頭葉から頭頂葉にしっかりと刻み込まれている。初デート初キッスの記憶はしっかりと獲得され固定され、いつでも再生可能です。それだけ脳がエキサイトしたのです。おそらくぼくがアルツハイマーになってもこの記憶は忘れ去られることはないでしょう。
今でもサイモンとガーファンクルの曲を聴くたびに、あの高校時代の想い出がふつふつとぼくの脳に湧き上がってきます。Sound of Silence、Scarborogh Fair、Mrs.Robinson、どの曲がかかっても唇が震えます。そして彼女のセーラー服が目の前に浮かびます。
さて、むかしむかしのことなのに、なぜ鮮明に覚えているのでしょう?どうしてきのうのことを忘れてしまうのに、むかしの思い出は忘れないでいるのでしょうか?
初キッスのような強烈な体験は、その人個人の体験であり、これを「エピソード記憶」といいます。記憶にはその他に「意味記憶」「プライミング記憶」「手続き記憶」があり、「いい国作ろう鎌倉幕府」とか、「今のアメリカ大統領はオバマさん」など学校で習ったり、新聞で読んだりする内容が意味記憶です。この意味記憶を覚えようとするのですが、なかなか覚えられなくて困ります。そこで意味記憶をエピソード記憶にすることができれば、忘れないことになります。何しろエピソード記憶は個人の記憶であり、忘れようにも忘れられない記憶なのですから、エピソード記憶にさえすれば忘れることはないでしょう。
じゃあどうすれば意味記憶をエピソード記憶にできるか?それは人に説明することです。人に説明すれば、あのときあそこであの人に教えてあげたと、自分個人の記憶にできます。もちろん1回ではだめかもしれません。2回、3回と回を重ねて何度も説明すれば、もう自分の脳にしっかりと固定され、いつでも思い出すことができるようになることでしょう。ここに人間の記憶のコツがあると思われます。自分の脳をうまく使って、もの忘れから、さよならしちゃいましょう。
次回は「アルツハイマー撃退法」についてお話しいたします。
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松山市民病院脳神経外科部長 角南 典生(すなみのりお) 先生
略歴
昭和51年3月 岡山大学医学部卒
昭和59年8月 日本脳神経外科学会専門医
昭和59年12月 医学博士
昭和60年10月 病理解剖認定医
平成元年1月 日本体育協会公認スポーツドクター
平成15年4月 松山市脳卒中対策協議会委員
〃 松山看護専門学校非常勤講師
平成16年3月 聖カタリナ学園衛生看護専攻科非常勤講師
平成19年6月 愛媛新聞社より著書「Drすなみの脳のおはなし-頭痛から脳卒中まで-」発刊
平成20年4月 南海放送ラジオ「ドクター角南のオー脳!」スタート
平成20年11月 愛媛新聞社より第2弾「Drすなみのかしこい患者学」発刊
平成23年6月 愛媛新聞社より第3弾「脳のおはなしPART2-頭の中の小宇宙-」発刊
松山市脳卒中対策協議会委員となってから、「脳卒中の予防」の啓発に力を入れ、講演・ラジオ出演など引き受け、微力ではありますが活動をしています。
公民館を中心に土日および平日の夜、講演を行っています。
「脳のおはなし」は丸三書店で発売から連続11週、売り上げベストテンに入り、現在第5刷。第2弾の「かしこい患者学」も増刷となっています。
2008年4月から毎週日曜日午後3時「松沢はつみの南海クラシックス」の中で、15分間「ドクターすなみのオー脳!」というコーナーを設けていただき、脳の科学・脳の医学について楽しくお話させていただいております。
■発行 全国健康保険協会(協会けんぽ)愛媛支部
〒790-8546 松山市三番町7-1-21ジブラルタ生命松山ビル5階
TEL 089-947-2100(代表)
(愛媛支部ホームページ)http://www.kyoukaikenpo.or.jp/13,0,109.htm



